ワールドカップで知られるようになったラグビー用語のひとつが「ジャッカル」。
「姫野のジャッカルってすごいよね」なんて使いたくなりますよね。
ただ、どんなプレーかと聞かれると…。
「相手からボールを奪うプレーのこと」と言われても…?
ラグビーって、そもそもボールを奪い合うスポーツなんじゃないの。
だとしたら、ラグビーのプレーって全部ジャッカルになっちゃわない???
う〜ん。わかったような、わからないようなラグビー用語の「ジャッカル」。
どうせなら、わかったような、わからないような解説をしてみます。
いきなり歴史の話です。
ただ、日本人ならみんな知ってる話。本能寺の変です。
実は、あれ、ジャッカルなんですね。
天下取りまであとわずかに迫った織田信長。
京の都というゴールラインは目前。
もはや天下(トライ)はオレが取ったようなもの。
あとはオレが前に進むだけ。
と、信長は単独で京に向け進軍してたんですね。
で、泊まった宿が本能寺。
そのとき、防御(ボールキープ)に一瞬のスキが生まれてしまった。
そのスキをついて、一気に信長から天下をジャッカルしたのが明智光秀。
決断力と行動力。
ジャッカルに必要なものを兼ね備えてたんですね光秀は。
一瞬のスキを見逃さず、勝負に出る。
局面を一気に変えるようなプレーがジャッカルです。
見事、光秀はジャッカルに成功。
ただ、天下を取ったかに思えた光秀の運命は…。
(ジャッカルに成功した明智光秀だったが…)
ジャッカルに成功すると局面が大きく変わります。
ピンチがチャンスに。
相手から見れば、チャンスがピンチに。
新しくなった局面で素早く反応できるのが優れたプレイヤーです。
ひとつ前のプレーでは、あそこでタックルしてたのに。もうここにいるの?
瞬間移動でもしたの?あいつ2人いるの?
周りにそう思わせるようなプレーをした選手が新しい局面で主導権を握ります。
これが本能寺の変の後の秀吉。
毛利と戦っていたはずなのに、いつの間にか光秀の前に。
天王山を制したのは秀吉でしたね。
ラグビーのジャッカルには2種類あります。
(A)プレーの中で相手からボールを奪うジャッカル。
(B)相手の反則を誘うことでペナルティを得るジャッカル。
気をつけたいのはジャッカル後にもプレーが続く(A)。
ピンチがチャンスに変わるビッグプレーなのですが、その後のプレーが大事。
ジャッカルされた側は、ジャッカル返しを狙ってくるのです。というのも、ジャッカルしたプレイヤーは孤立することがあるため。本能寺の変の後の光秀のように。
見方が反応して援軍を送ってくれればいいのですが、孤立してしまうと…。ピンチに素早く反応する相手プレイヤーの餌食になってしまうのです。秀吉による中国大返しのように。
明智光秀と豊臣秀吉。
ジャッカル後の局面で、どちらが活躍するか。ラグビー観戦で注目してみてください。