
スポーツを見ていて興奮するのは逆転劇ですよね。贔屓のチームが逆転勝利!なんてサイコー。
今日はダメかな…なんて弱気になったところからの勝利!最初からリードして勝つよりも、うれしいものです。ラグビーの場合は特にそう。
なぜなら、ラグビーにはラストワンプレーでの逆転劇があるんです。
ラグビーには得点の入り方がいくつかあります。
全部で3点、5点、7点と3種類の得点の入り方があるところがミソ。例えば3−0で勝っていても、最後にトライを取られてしまったら一気に逆転されてしまうんですね。
ラストワンプレーで勝者と敗者が入れ替わってしまうのです。
これがドラマティックな試合を生むことになります。
サッカーなど同じ点数ずつしか入らないスポーツだと、1−0から逆転しようと思ったら、まず1−1にして、それから2−1にしなければなりません。少なくても2プレー必要です。
ラストワンプレーで勝者と敗者が入れ替わり、天国から地獄へ、地獄から天国へという展開にはならないんですね。
2015年W杯南アフリカ戦の日本の最後のトライが、まさにこのラストワンプレーでの逆転でした。
振り返ってみましょう。
トライが入る前のスコアは、南アフリカ32点−日本29点の3点差。
試合時間からラストワンプレーというところで南アが反則。
日本にペナルティが与えられます。
ペナルティーゴールを狙うか攻め続けるかを選択できます。
位置から考えてペナルティーゴールを狙えば3点は確実。
3点取れば、32対32で同点となります。
引き分けでも日本にとっては大健闘だったのですが、攻め続けてトライ5点を取りに行く選択をしました。トライが取れれば5点ですが、取れなければ0点。
まさに勝つか負けるかです。
トライを取りに行くとはいっても、それまで79分間戦って日本が取れたトライは2つ。ラストワンプレーでもうひとつ取るというのは、かなり確率が低いものです。
ただ、選手は確率が低いとは思わなかったんですね。
取れると思ったんですね。
引き分けを良しとせず勝ちに行きます!
この選択だけでも見てて震えました。
事情を分かっているスタジアムの観客も日本のこの選択に対し大声援でしたね。
その結果が、あのトライです。
イイもの見させてもらったとしか言いようがありません。
これがラグビーの醍醐味です。