
ラグビーのルールの中で、まずは基本となる得点方法を説明します。
ラグビーの得点方法は全部で5種類。
トライ後のゴールが決まれば5点+2点で合計7点入ります。これが1プレーで得点できる最大の点数なので、6点差以内であればラストワンプレーで逆転できる点差ということになります。
ワールドカップのグループリーグは勝ち点制で順位を決めますが、勝敗以外にボーナスポイントというものがあり、7点差以内の負けはボーナスポイント1(勝ち点1)がプラスされます。この7点差以内というのはワンプレーで追いつける得点から決められたものです。
ペナルティトライは相手に反則(ペナルティ)がなければトライできたであろうというときに与えられるものです。この場合はトライ後のキックは成功したものとみなされ、5+2で7点はいります。
以下ではラグビーの得点方法について、詳しく説明します。
相手のインゴール内にボールをグランディングするとトライで5点入ります。
グランディングというのは、ボールを地面につけること。
アメフトは選手がボールを持ってインゴールに入れば得点となりますが、ラグビーではちがいます。
グランディングが必要です。
このため防御側が自分のカラダをボールとグランドのあいだに入れて、トライを防ぐ(グランディングさせない)というプレーも見られます。
トライが認められた場合は、トライした場所からまっすぐ後ろに下がった任意の場所からトライ後のゴールを狙うことが出来ます。これがコンバージョンゴールと呼ばれるもので、成功すると2点入ります。
コンバージョンはボールがゴールのバーを越えて2本のポールの間を通ると成功です。
かつてはトライ後のゴールが決まってはじめて得点(1点)となった時代もありました(トライだけでは得点にならない)。得点となるゴールキックに挑戦(トライ)できるという意味で「トライ」だったわけです。
その後、トライのほうの価値が上がり、トライだけでも得点となりました。
トライが現在の5点となったのは1993年からで第1回(1987年)と第2回(1991年)のワールドカップ時はトライは4点でした。コンバージョン、ペナルティゴールなどその他の得点は同じ。
なお、防御側がグランディングしてもどちらの得点ともなりません(自殺点になりません)。
この場合はドロップアウトか5mスクラムで再開となります。
ドロップアウトというのは防御側(ゴール側)だったほうが22mラインからドロップキックを行って再開すること。5mスクラムの場合は攻撃側ボールでの再開です。
5mスクラムなら、攻撃側が圧倒的に有利。
ドロップアウトなら、防御側がとりあえず難を逃れたといった感じ。
大きく違いますが、どちらで再開するかはグランディングした状況により決まります。
となっています。
相手に重い反則があったときなどに与えられるのがペナルティキックです。
ペナルティキックを与えられたチームはゴールを狙うこともできますし、タッチキックを狙って、マイボールのラインアウトから再開することもできます。
ペナルティゴールでは3点しか入らないので、トライ+その後のゴールで7点を狙いに行くために、ペナルティキックでタッチに蹴り出し、ラインアウトを狙う(そこからトライを狙う)ことも作戦上あり得ます。
ちなみに、ペナルティキックは自陣から狙ってもOKです(得点は同じ3点)。
ただ、50m以上の飛距離が必要となるので、あまり狙うチームが少ないだけです。
トップレベルの試合では50m越えのペナルティゴールを見ることもできます。
自陣で反則をしてしまう(ペナルティを取られる)と、相手に得点のチャンスを与えてしまうことになるので、僅差の試合終了間際などは「ノーペナルティ(絶対反則するな)!」との掛け声をディフェンス側はかけあっています。
ペナルティゴールはボールをセットして蹴るものですが、一連のプレーの中で出るのがドロップゴールです。ボールを地面でバウンドさせてから蹴るのをドロップキックと言います。
このドロップキックでゴールを狙うのがドロップゴール。
成功すれば3点入ります。
このときはペナルティキックのときと違って、防御側がチャージしにくるので、それをかわしながら蹴らなければなりません。見ていても、結構ドキドキするプレーです。
ゴール前ではドロップゴールと見せかせて、相手をおびき出して、ステップを切って抜いていく、なんてプレーも見られます。
トライ | 5点 | ボールを相手インゴールにグランディング |
---|---|---|
コンバージョン | 2点 | トライ成功後のコンバージョンキック成功 |
ペナルティゴール | 3点 | ペナルティキックからのゴール成功 |
ドロップゴール | 3点 | ドロップキック(ボールをバウンドさせてのキック)でのゴール成功 |
ペナルティトライ | 7点 | 不正なプレーがなければトライだったとき |
ラグビーは得点の入り方が複数あり、点数がちがうことで一発逆転を可能にしています。
1点ずつしか点が入らない競技の場合、0−1で負けているチームは、1−1に追いついてからでないと、2−1に逆転できませんがラグビーはちがいます。
ペナルティゴールによる得点だけで3−0となっている状況で、負けているチームはトライと取れば、その1プレーだけで5−3と逆転できます。一発逆転が可能なんですね。
点数のちがいが終了間際の1プレーでの逆転を可能にしているのがラグビーです。